In the Land of War Canoes: A Drama of Kwakiutl Life in the Northwest 戦闘カヌーの大地

Edward S. Curtis エドワード・S・カーティス

型番:dvdi001

 

Artist:  Edward S. Curtis
  エドワード・S・カーティス
Label:  Image Entertainment ; ID9361MLSDVD ; 2000
  US盤 , リージョンフリー
コンディション:  A/A
   
大地に根ざし暮らす勇壮な北米インディアン像を今に伝える写真家エドワード・S・カーティスが、唯一1914年に手がけた映画作品を、新たに修復し、音付けして1974年に公開された一作。
  まるでナポレオンのエジプト遠征時に描かれた町並みのように、巨大なトーテムポールがそびえ立つエキゾチズム満点のクワキウトル族の王国。
  悲しいかな、写真では成功していた、その<ちょっとやり過ぎた>感のある演出が、拙い技術の黎明期の映画では仇となって全編(43分)滑稽な代物となっています。(1914年当時も興業的に失敗だったそうです。)
  中でも、『グレン・ミラー・オーケストラ』が仮装でもしているかのような儀式のシーンでは、もう本気なのか冗談なのか良く分からないレベルにまで達しています。
  カーティス手持ちの衣装を身にまとった俄仕込みのシャーマンでさえも、陰影とプラチナ・プリントの魔力でもって、写真ではあれほどまでに威厳に満ちた輝きを放っていたというのに、こと動画の世界では見事なまでに失敗しています。
  今日の、より緻密な映像表現が可能ならしめたエキゾチズムの見事な完成形、グレゴリー・コルベールの『Ashes and Snow Film』なんかを一度見てください。そしてもう一度、このエドワード・S・カーティスの失敗作を見てくだい。そうすることによって、このエキゾチズムやオリエンタリズムの<蓋の閉め忘れ>のような作品からこぼれ落ちてくる<別種の何か>に気付かせてくれます。あるいは失敗してるがゆえに、その<別種の何か>に触れ合うことができます。本作はそんな<ややこしい>一作です。