出版社: Aldeasa 2004年刊
367頁 , 図版261 , 内カラー152 , 18×23cm
ソフトカバー , スペイン語(英訳付き)
2004年にスペインのソフィア王妃芸術センターで行われたハンナ・ヘッヒの大規模な回顧展に合わせ刊行された、その代名詞たるフォトモンタージュは勿論のこと、油彩に水彩に版画にコラージュにと、小ぶりながらも初期から晩年にかけての仕事全体をくまなく網羅した一冊。
「すべてのものは可視化とともに」 、そんな標語があったかどうかは知りませんが、近代化へと向かう社会の象徴たるマス・イメージを 『脱構築』 すべく編み出されたフォトモンタージュの担い手でありながら、そのどこか批判的でシニカルなイメージとは裏腹の <おちゃめ> な輝きを放つハンナ・ヘッヒの作品の数々。より私的な痕跡を留める絵画作品と共に眺めるに、ドイツの中産階級家庭に、弟2人、妹2人の5人兄弟の長女として生まれ、社会的体裁から、またはジェンダー的しがらみから自らを解き放つべく <自分探し> の果ての <いかした婆様> へと向かう旅路の軌跡をビジュアル的に俯瞰して見ることのできる、オトグスおすすめの一冊です。