出版社: Walther König 2014年刊
684頁 , 図版523 , 内カラー多数 , 23.8×33.4cm
ソフトカバー , 別冊ドイツ/英/フランス語併記テキスト付き(下掲写真11枚目参照) , ドイツ/英/フランス語併記
ウェールズ出身のアーティスト、ベサン・ヒューズ(Bethan Huws)が微に入り細に行ったコンテンポラリーアートのカリスマ、マルセル・デュシャンの作品についての考察の研究ノートを取りまとめた長大な一冊。
素人に病人に未開といった外部を取り込んでその命脈を保ち続けようとしていたアート業界に、さらなる高みから<便器>を持ち込んで一躍コンテンポラリーアートのトップランナーに躍り出たマルセル・デュシャン。
もう100年前の話です。音楽業界では既にそうであるように、難しい顔をして完全に終わってしまった現代音楽を語っていたりなんかしたら良くて「ダサい」、下手すりゃ「キモい」、どころか本当に終わっているので無きものとされてしまう。美術業界のアーティストにとってマルセル・デュシャンもそういう存在になりつつある中、とことん後ろ向きにデュシャンに没入。あっぱれな一冊です