Sebastiao Salgado: Migrations: Humanity in Transition セバスチャン・サルガド:移住者たち

Sebastiao Salgado (写真) セバスチャン・サルガド

型番:bopm006_2

6,800円(税込)

出版社: Aperture 2000年刊 First English-language Edition

432頁 , ほぼ全頁図版 , オールモノクロ , 25.4×33.6cm

ハードカバー , ブックレット付き , 英語

コンディション: VG(ジャケット)/F(ブックレット)/VG

※ジャケット全体に少しのスレと、上下部に僅かなヨレあり。本体の天と小口と地に僅かなスレ汚れと、天に1箇所1mm大の点状の汚れあり。
ページ内のコンディションは:F

富を求め新天地を目差す密入国者たちや、土地を追われ、あるいは戦乱や飢餓から逃れようとして難民と化す者たちなど、社会の歪に翻弄され行く人々を、その<鋼のヒューマニズム>でもって撮り収めた分厚い一冊。
セバスチャン・サルガドの他の作品集同様に社会に埋もれ行く人々の魂を救い出さんとその眼差しは注がれ、見事なまでに個々のヒューマンを浮き彫りにして行きます。
しかるに当作品集には異物が混入しています。アマゾン奥深くに住む先住民族の姿だけは異色を放っています。少なくともそう見えます。他の作品ではあれほど迫りくる人々の魂が完全に引っ込んじゃっています。牧歌的自然の情景に埋もれています。と言うか溶け込ませるようにサルガド自らが捏ねくり回しているように見えます。サルガドにはアマゾン奥深くに住む先住民族たちが毛色の違った存在に見えたのだと思います。他の作品ではあれほど見事なまでのヒューマンを描いてみせるのに、<鋼のヒューマニズム>が的を外せば、こうも<臭い>ものに成っしまうものなのでしょうか。
驚きです。嫌味を言っているのではありません。守備範囲を超えると、こうも臭うものなのかと、そのブレのない表現にオトグス・スタッフも思わずダラダラと呟いてしまった、そんな一冊です。

※掲載画像はすべて現物のものに差し替えています。

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