出版社: Hatje Cantz 1999年刊
296頁 , ほぼ全頁図版 , 一部カラー , 23.4×30.9cm
ソフトカバー , 英/ドイツ/フランス語
オーストリアのアーティスト、エルヴィン・ヴルム (アーウィン・ワーム) の <インスタント彫刻> 『One Minute Sculptures (1分間の彫刻) 』 のドローイング集。
19世紀以降の美術史的文脈なくして成立し得ない現代美術を、当然、その史的知識なくして理解することなんて出来っこないという、これまた至極当然な話を、<難解> の2文字で絡め取って、マッチポンプに易しく読み解くと言ってみたり、あるいは、おかしな精神論に持ち込んで <無限地獄> を楽んでみたりと、そんな人々を煙に巻く 「裸の王様」 的作品 『One Minute Sculptures (1分間の彫刻) 』 。
と見せかけて、実は、その身振り自体が現代美術としての自らの立ち位置を心得えた <ど真ん中の作品> 『One Minute Sculptures (1分間の彫刻) 』 。
本作品集は、そんなデュシャンたち先達の <難解> の面影をしかと残しながらも 「スッカッ、スッカッ」 な、重厚さの欠片もないドローイングの数々をひと束ねにして、見事にアーティスト・ブック然と佇ませることに成功した、稀有な、オトグスおすすめの、現代アートの <直球本> です。